重力と人間Ⅵ重力には意志がある 第219回2010年6月15日大阪日日新聞掲載

宇宙を創造し3原則の応用から地上を創りあげたのは重力であると述べてきた。では、その重力は意志を持って万物を創造したのだろうか?

意志とは理性による思慮、選択を決心して実行する能力であり、知識・感情とは対立するものとされている。また、ある行動を決意しかつそれを生起させ持続させる心的機能でもある。

まず、地上誕生から約46億年。誕生当初の地球の温度は5千万度以上。徐々に冷え、現在の地上の平均温度は20度前後。これ以上は上がらず、これ以上にも下がらない。地上に動植物が存在できる温度である。

この間の地球の激しい変化を考えると、マイナス100万度になったとしても不思議ではない。しかし、そうはならなかった。生物が生息できる環境を保つため、超緻密(ちみつ)な計算がなされている。地球の大きな変化に比べれば、ほんのわずかな温度差で調えられている。

太陽は6千万度、太陽から最も遠い冥王星はマイナス6千万度。太陽の高温がいまだ衰えることはなく、冥王星の温度もあまり変わらない。他の太陽系の惑星を分析しても、誕生時の温度からの大きな変化はなく、生物が存在できる環境ではない。なぜ地球だけが変化し私達生物が存在できているのか。緻密に計算して作られたとしか考えられない。

また、太陽系以外にも地球と同じ生物が存在する星があると推測されているが、いまだに見つかっていない。おそらく地球は宇宙で唯一である。それは偶然ではない。地球は太陽の熱と光を20万分の1だけ吸収し、北極・南極の氷で太陽の熱を反射し必要以上の熱を留まらせないよう調整されている。とても繊細な緻密な構造である。

このようなことが計算されたものではないと誰が言えるのか。冒頭に述べた意志について、感情とは対立するが私達は感情を持っている。重力には感情がなく分からない。広大な大宇宙の中で感情を持っているのは、この地上に生息する人間と動物だけである。その人間と動物、あるいは人間同士がせめて助け合い尊重し合うということがどうしてできないのか。悲しいかぎりである。

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