人間の存在理由(重力の功罪11)第133回2008年9月30日大阪日日新聞掲載

重力の三原則と正常な人格形成の関係を分かりやすく図にしてみた。正三角形中の等しい三つの三角形がそれぞれ重力の三原則を表す。この三つがどこもかけずにある状態がAの図になる。生きるために三原則がバランスよくはたらいている状態である。野生動物はそれに属する。

肉食動物を凶暴だという人がいるが、勉強不足である。自分たちの領域を必死で守っているにもかかわらず、人間が進入し侵害するので「対抗性」を発揮しているだけのことだ。また、よく働き、時間やルールを守り、親や子を大切にする人間もこのAの種類に属する。

Bの図は求心性が欠け規範性と対抗性が著しく乏しい状態を表す。現代のパラサイトやニートなどはこれに属する。親に依存する求心性のみが肥大し、自分は親に対して思いやりを持たない。社会に対応する能力や時間やルールを守る規範性がほとんどない。Aと比べるとBの図は大きく変容する。つまり人格が偏っていることが分かる。

Cの図はBと変形が異なる。これは極端に暴力的な人格を表す。暴力によって他を抑圧しようとする誤った対抗性のみが肥大しており、仲間と群れる求心性はあっても大切な思いやりや真心が空白になっている。また、間違った仲間内のルールは守っても社会道徳は無視した状態にあるので規範性も大きく変形している。このように三原則に従って人間像を簡単に図示することができる。

例えば「あの人はまじめだが思いやりがない」なら求心性を表す部分が大きく欠けた形となる。では、完ぺきな形はAなのかというとそうではない。Aは当たり前の人格であるというだけなので、下部に円をプラスしたDが目標とするべき人間像である。この円は「人間の存在理由」を会得していることを表す。個人も国家もDを目指さなければならない。

普遍教育実践講座第133回イラスト

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